はじめに、少しびっくりするお話をしてしまいます。
国土交通省の所管の公益財団法人住宅リフォーム紛争処理支援センターが毎年発表しているデータによると2017年のリフォームにおける相談の内36.5%が外壁・屋根に関するトラブルであるという統計が出ています。
このトラブルの内容を見てみると、外壁のひび割れ、はがれ、汚れ、屋根の雨漏り、はがれ、ひび割れなど外壁塗装が原因と思われる事象が大きな割合を占めていることがわかります。
私たち塗装工事を仕事としている者としては、非常に悲しい思いと、この現状を改善するために、プロとして正しい情報をお伝えしたいと思います。
外壁塗装を検討する際に、一番はじめに考えないといけないことは、外壁塗装を行うタイミングかどうかという事です。
外壁は、毎日の日光や風雨にさらされて時間の経過とともに確実に劣化していきます。ただ劣化の度合いはお家の建っている環境(地域、方角、周辺環境など)によって変わってきます。塗り替えのタイミングとしては早すぎても、遅すぎてもいけません。
チョーキング
ご自宅の外壁を手でこすってみてください。白くチョークの粉のようなモノが手につくようなら、塗膜が劣化しているサインです。
カビ・コケ・藻の付着
塗料には本来、防カビ、防藻剤が入っています。経年劣化によりこの効力がなくなってしまう事により外壁にカビやコケが付着してしまいます。また防水性の低下により外壁が雨水を吸収しコケや藻が発生してしまいます。
ひび割れの発生(クラック)
外壁にこのようなヒビ割れ、亀裂がある場合は、塗り替えを行うサインです。建物の美観を損ねるだけでなく、放置すると建物内部に雨水が侵入し急速に建物を傷めてしまいます。
シーリングの割れ・はがれ
外壁サイディングの間や窓の周りなどに使われているシーリング材。これも経年劣化により固くなりヒビが入ったり、はがれたりします。シーリングの割れた部分から雨水が侵入し建物を傷めます。
塗膜のはがれ
塗膜の劣化が進み塗膜自体の付着力がなくなった状態で発生します。塗膜がはがれることにより、建物の美観を損ね、建物を保護する効果がなくなっている為、腐食や漏水を引き起こします。
外壁塗装の塗り替えのサインを見逃してしまうと、建物の損傷が一気に進む可能性があります。これは正常な塗膜であれば防いでいた雨水や日光などが直接建物に影響を与えてしまい、結果劣化が大きく進んでしまうからです。こうなってしまうと補修するのに大きな費用がかかってしまうだけでなく、住む人の安全にも影響がでてしまいかねません。
外壁の塗り替えのタイミングを適切に行うことで、大切な建物の資産価値を保つだけでなく、メンテナンスのコストを抑える事にもなるのです。一度、お客様ご自身でご自宅の外壁をチェックして見てこれは大丈夫なのというような症状がありましたら遠慮なくご連絡ください。
外壁塗装に関してよく聞くトラブルは、「飛込で営業に来た業者に外壁塗装を頼んだ結果トラブルとなった」という話です。
いわゆる訪問販売で頼んでしまったパターンです。
一概に全てがトラブルになると言い切る事はできませんが、昔から訪問販売でリフォームなどを頼んでトラブルになったという話はよく聞きます。
なぜ訪問販売で頼むとトラブルになるのでしょうか? 結論から申しますと主な理由は「価格面」「品質面」で適正でない場合が多いからです。
訪問販売の会社の場合は基本は営業のみを行っている会社がほとんどです。契約をとることを主な業務としており、現場は下請けの業者が行います。なので、お客様の窓口になっている「営業マンの会社」から「現場の職人の会社」までに会社または人が多数介在しているケースがほとんどです。この様な場合にトラブルになりやすいと言えます。
まず「価格面」においては、中間に人や会社が入れば当然、中間マージンが上乗せされますので、お客様が支払う費用が高くなる、もしくは現場の職人への支払いが安くなります。ここで注意してほしいことは、現場の職人への支払いを減らす度合いが一定を超えると施工会社も利益を出さないといけない為、「手抜き工事」をせざるをえなくなります。これが施工不良につながり「品質面」のトラブルに発展してしまうのです。 また、間に人が介在することで、依頼内容がキチンと伝わらなかったり、対応スピードが遅などの問題も発生しやすくなります。
わたしたちが考える理想は、窓口となる営業と現場の職人の距離が近く、無駄なく連携がとれる事だと考えます。もっというと営業マンと職人が同じ会社で完全自社施工であることが理想だと思います。